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THIS ONE SUMMER

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マリコ・タマキ 作、ジリアン・タマキ 画、三辺律子 訳
2021年7月16日刊行
本体 2,200円(税込み 2,420円)
A5判・並製・カバー(320頁)

 

夏休み。母親がもうひとり子どもを望んでいたことに、ローズは気づいている。
それで両親がぎくしゃくしていることにも。
友だちが子どもっぽく見える時があるし、雑貨店で働くダンクがなんだか気になって――。
湖岸の別荘地で過ごす、夏のできごと。思春期の入り口でゆれる心に寄り添う、傑作グラフィック・ノベル。 
 

 推薦の言葉 

悩み、苦しみ、そして笑う女たちの姿を見て、少女たちは大人になる。
  ――松田青子さん(作家)
 
 
家庭の不和からの閉塞感や妊娠する体を持つことへの恐れに胸をえぐられ、
水や風に触れる快い感覚を蘇らせるような絵の力に引き込まれます。
  ――野中モモさん(ライター・翻訳家) GQ Japan「モダン・ウーマンをさがして」第32回より
 
 
素晴らしかった。なんという記憶喚起力の高い筆致。
  ――酉島伝法さん(作家)SNS投稿より
 
 
言葉では説明できない思春期のありようが宿っている。
  ――三辺律子さん 訳者あとがきより
     *「訳者あとがき」はこちらからお読みいただけます
 

 

 受賞情報 

ニューヨークタイムズベストセラー

コールデコット賞オナー 世界三大絵本賞のひとつ グラフィック・ノベルとして初の快挙!

マイケル・L・プリンツ賞オナー アメリカ図書館協会選定、もっとも優れた10代向けの作品を表彰

ウィル・アイズナー賞 アメリカでもっとも権威ある漫画賞

イグナッツ賞 小規模出版主体が発行した漫画作品の卓抜したものを表彰

カナダ総督文学賞 カナダでもっとも権威ある文学賞

ほか受賞多数

 

 作者について 

作・マリコ・タマキ
カナダ出身の作家。1975年生。ハーレイ・クイン:ガールズ・レボリューション』(スティーブ・ピュー画、高木亮訳)ほか、アメリカン・コミックの原作を数多く手がける。グラフィック・ノベルの作品に、『GIRL』(ジリアン・タマキ画、谷下孝訳)、『Laura Dean Keeps breaking up with me』(Rosemary Valero-O'connell画、未邦訳)など。
 
画・ジリアン・タマキ
カナダ出身のイラストレーター。1980年生。マリコ・タマキはいとこにあたる。ニューヨーク・タイムズの挿絵や、『秘密の花園』『黒馬物語』『レ・ミゼラブル』のペンギン・クラシックス豪華版の装画などを担当。
 
訳・三辺律子(さんべ・りつこ)
翻訳家。白百合女子大学大学院修了。訳書にラドヤード・キプリング『ジャングル・ブック』、アディーブ・コラーム『ダリウスは今日も生きづらい』、ユニティ・ダウ『隠された悲鳴』ほか多数。海外文学ブックガイド「BOOKMARK」の編集人も務める。

 

 編集担当者からのメッセージ 

 2015年にグラフィック・ノベルとしてはじめてコールデコット賞オナーに選ばれたほか、児童文学とマンガに与えられる数々の賞に輝いた本書。でもそうと知らなくても、そしてグラフィック・ノベルというジャンルのことをよく知らなかったとしても、のびやかな線と陰影の豊かな青い絵に、「あ、いいな」と思う方は多いのではないでしょうか。
 毎日それなりに楽しく過ごしているはずなのに、ふとどこにも行けないような気がしてしまったり、ちょっとしたことで自意識に苦しくなってしまったり……思春期にゆれる主人公・ローズの心は、当時の自分を思い出して苦い気持ちになるくらいにリアル。でも読後には、「それでいいんだよ」と言われたような心強さが残ります。キツいよね、でも大丈夫だから、と。
 足に感じる砂浜の熱さ、水のなかに差す光、夜の虫の声、たき火の匂いーーあの頃、今の自分とはちがう彩度の日常があったこと。忘れていた感情を呼びさますような圧倒的なイラストが、主人公をはじめさまざまな境遇にある女性たちの生を伝えて、読むたびに心をつかみます。今まさに変化の季節にいる人はもちろん、その荒波を生きのびてきた大人の読者にも、この夏、ぜひ出会ってほしい物語です。

 

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