新訳シリーズ「リンドグレーン・コレクション」
photo:安井進
子どもの愛と勇気、自由な心、豊かな想像力を、
ユーモアにあふれた言葉とあたたかな眼差しで描いたリンドグレーンの数々の作品。
これからも子どもたちに読み継いでほしい作品を、新たな装幀と新訳でお届けします。
「長くつ下のピッピ」シリーズ
菱木晃子訳/イングリッド・ヴァン・ニイマン絵
(帯コメント:荒井良二さん、西加奈子さん、小島麻由美さん)
1941年の冬、肺炎にかかった娘を喜ばせようと、リンドグレーンが語り聞かせたのが、天真らんまんな赤毛の女の子の物語。
日本でも長年愛されてきたこの『長くつ下のピッピ』のシリーズ3作が、読み聞かせが楽しくなる新訳とイングリッド・ヴァン・ニイマンの絵になりました。
ニイマンの描くピッピはどこまでも自由でまっすぐで、スウェーデンでは「ニイマンの描く絵とピッピの物語はわかちがたい」ものとして、ピッピの誕生から今に至るまで愛され続けています。
絵 イングリッド・ヴァン・ニイマン
(1916-1959)Ingrid Vang Nyman
デンマーク生まれ。1945年『長くつ下のピッピ』のイラストで成功をおさめ、絵本や児童書の挿絵を数多く手掛ける。リンドグレーンとは直接打合せを重ねながら作品作りを続け、『ピッピ 船に乗る』『ピッピ 南の島へ』『カイサとおばあちゃん』などにイラストを描いた。
訳 菱木晃子
東京生まれ。スウェーデンの児童書を中心に、翻訳と紹介に活躍慶應義塾大学卒業後、スウェーデンのウプサラで学ぶ。訳書にラーゲルレーヴブ『ニルスのふしぎな旅』(福音館書店)、スタルク『おじいちゃんの口笛』(ほるぷ出版)ベスコフ『ぼうしのおうち』、リードベック『ヴィンニ!』(全4冊)ほか多数。著書に『はじめての北欧神話』(徳間書店)、『巨人の花よめ』(BL出版)など。2009年、長年にわたりスウェーデン文化の普及に貢献したとして、スウェーデン王国より北極星勲章受章。2018年、日本・スウェーデン外交関係樹立150周年記念「長くつ下のピッピTMの世界展」を監修。
東京生まれ。スウェーデンの児童書を中心に、翻訳と紹介に活躍慶應義塾大学卒業後、スウェーデンのウプサラで学ぶ。訳書にラーゲルレーヴブ『ニルスのふしぎな旅』(福音館書店)、スタルク『おじいちゃんの口笛』(ほるぷ出版)ベスコフ『ぼうしのおうち』、リードベック『ヴィンニ!』(全4冊)ほか多数。著書に『はじめての北欧神話』(徳間書店)、『巨人の花よめ』(BL出版)など。2009年、長年にわたりスウェーデン文化の普及に貢献したとして、スウェーデン王国より北極星勲章受章。2018年、日本・スウェーデン外交関係樹立150周年記念「長くつ下のピッピTMの世界展」を監修。
「やかまし村」シリーズ
石井登志子訳/イングリッド・ヴァン・ニイマン絵
(帯コメント:ミロコマチコさん、佐野遊穂さん)
干し草の山にとびこみ、野イチゴをつみ、変装ごっこで大わらい! 自然豊かな小さな村に、子どもたちがぜんぶで6人。楽しいことでいっぱいの毎日を、もうすぐ8歳になる女の子リーサがおちゃめに語ります。
作者アストリッド自身の「遊んで遊んで遊び暮らした」という子ども時代が色濃く反映された、心温まるゆかいな物語。日本では初公開となる原書初版ニイマンのユーモラスなさし絵と、新訳でおとどけします。
訳 石井登志子
同志社大学卒業。『おもしろ荘の子どもたち』「エーミル」シリーズ(岩波書店)などのリンドグレーン作品や、ベスコフの絵本『おひさまのたまご』(徳間書店)、『おりこうなアニカ』(福音館書店)などの翻訳を数多く手がける。ほかにも『愛蔵版アルバム アストリッド・リンドグレーン』『リンドグレーンと少女サラ 秘密の往復書簡』『暴力は絶対だめ!』『リンドグレーンの戦争日記 1939-1945』(以上、岩波書店)など多数。
同志社大学卒業。『おもしろ荘の子どもたち』「エーミル」シリーズ(岩波書店)などのリンドグレーン作品や、ベスコフの絵本『おひさまのたまご』(徳間書店)、『おりこうなアニカ』(福音館書店)などの翻訳を数多く手がける。ほかにも『愛蔵版アルバム アストリッド・リンドグレーン』『リンドグレーンと少女サラ 秘密の往復書簡』『暴力は絶対だめ!』『リンドグレーンの戦争日記 1939-1945』(以上、岩波書店)など多数。
「名探偵カッレ」シリーズ
菱木晃子訳/平澤朋子絵
(帯コメント:いしいしんじさん)
シャーロック・ホームズ、エルキュール・ポワロ、ピーター・ウィムジイ卿、そして名探偵カッレ・ブロムクヴィスト!! 仲良しのエヴァロッタとアンデッシュとともに、平穏な街に突如あらわれた怪しげな「おじさん」の秘密を探るが……。白夜の北欧の夏、朝から晩まで子どもたちが本気で遊び、笑い、難事件を解決する。みずみずしい新訳と平澤朋子さん描き下ろしの新たな挿絵で、本格推理小説×児童文学が生まれ変わりました。
絵 平澤朋子
東京生まれ。武蔵野美術大学卒業後、児童書を中心にイラストレーターとして幅広く活動。装画や挿絵を手がけた作品にラーゲルレーヴ「ニルスが出会った物語」シリーズ(菱木晃子訳、福音館書店)、菱木晃子『巨人の花よめ』(BL出版)、バー『フローラ』(三辺律子訳、小学館)、市川朔久子『しずかな魔女』(岩崎書店)など多数。
山賊のむすめローニャ
ヘレンハルメ美穂訳/イロン・ヴィークランド絵
嵐の夜、山賊マッティス一族のもとに生まれたローニャ。両親や仲間の山賊たちと暮らしていた城を出て外の世界に足を踏み入れたある日、敵対するボルカ山賊の息子ビルクと出会う。灰色こびとに妖し鳥、ふしぎなものたちがすむ美しくも深い森で、二人は友情を育んでいきます。
生命あふれる自然を背景に人々の愛と葛藤を描いたファンタジーが、ヘレンハルメ美穂さんの生き生きとした翻訳で鮮やかに語られます。
絵 イロン・ヴィークランド
Ilon Wikland
エストニアのタルトゥに生まれ、ハープサルで育つ。1944年、ソヴィエトの占領を逃れるため難民としてスウェーデンに渡る。美術や広告を学んだ後、1954年にリンドグレーンの『ミオよ わたしのミオ』の挿絵を描く。以後40年にわたり、「やねの上のカールソン」シリーズ、「ロッタちゃん」シリーズなど、代表的なリンドグレーン作品の挿絵、絵本を手がける。
訳 ヘレンハルメ美穂
スウェーデン語翻訳家。ラーソン「ミレニアム」シリーズ、ルースルンド&ヘルストレム『制裁』(以上、早川書房)、ヨート&ローセンフェルト『犯罪心理捜査官セバスチャン』(東京創元社)など北欧ミステリを数多く手がける。そのほかの訳書に、ウースマ『北極探検隊の謎を追って』(青土社)、ヤーゲルフェルト『わたしは倒れて血を流す』(岩波書店)、ビョルンシェーナの絵本「おとうとうさぎ」シリーズ(クレヨンハウス)など。スウェーデン在住。