茨木のり子生誕100年

谷川俊太郎撮影 ©Shuntaro Tanikawa Office, Inc.

〈現代詩の長女〉茨木のり子、生誕100年!
『自分の感受性くらい』『歳月』『茨木のり子詩集』『茨木のり子全詩集 新版』『詩のこころを読む』——。
岩波書店に集結した、茨木のり子のロングセラー&代表作。「詩なんてぜんぜんわからない」って言いつづけてきた人にこそおすすめしたい、岩波書店の"茨木のり子コレクション"をご紹介いたします。仕事で失敗して落ち込んでいるとき、恋に悩んで頬を静かに涙が伝うとき、思い出から抜け出せずにたたずんでいるとき、茨木さんのことばがきっとあなたを励まし、勇気づけてくれることでしょう。


岩波書店の"茨木のり子コレクション"
『茨木のり子全詩集 新版』
宮崎 治 編
生前刊行の全ての詩集、没後刊行の『歳月』、単行詩集未収録詩篇百余篇、新発見の日本語詩と尹東柱の訳詩、代表的エッセイ「はたちが敗戦」「「櫂」小史」、口絵写真数十枚を収録し、茨木のり子の全詩業を展望する。決定版。
『歳月』
岩波現代文庫
最愛の夫が他界したあと書き継いだ、亡夫に贈る愛の詩篇。夫と二人だけの親密な世界の中で、女性としての息づかいが濃厚にただよう、没後刊行にして詩人の新生面をひらくもう一つの代表作。カラー口絵二丁。(解説=小池昌代)
『自分の感受性くらい』
岩波現代文庫
最も人気のある詩人の、最も有名な詩集。中でも突出した人気の表題作は、自立した知性を磨き続けることの大切さを謳い、そのメッセージ性の強い言葉は自分自身への問いかけとして多くの読者の共感をよぶ。(解説=伊藤比呂美)
『茨木のり子詩集』
谷川俊太郎 選
岩波文庫
青春を戦争の渦中に過ごした若い女性の、くやしさと夢。スパッと歯切れのいい言葉が断言的に出てくる、主張のある詩。素直な表現で、人を励まし奮い立たせてくれる、茨木のり子のエッセンス。(対談=大岡信、解説=小池昌代)
茨木のり子
1926–2006年。〈現代詩の長女〉とも称される、戦後の日本を代表する現代詩人。1953年、川崎洋と二人で同人詩誌「櫂」を創刊。「わたしが一番きれいだったとき」をはじめとする作品群で戦時下の女性の青春を描く。敗戦を契機にひらかれた幅広い社会意識と健康な批評精神が特徴で、スパッと歯切れのいい言葉が断言的に出てくる、主張のある詩、論理の詩、倫理の詩、あるいは読者を励ます、人を奮い立たせてくれる詩が多い。他の詩集に、『対話』『見えない配達夫』『自分の感受性くらい』『倚りかからず』など、また訳詩集に『韓国現代詩選』(読売文学賞)がある。
夫・三浦安信によるのり子のデッサン
図書
世界
minä perhonen
minä perhonen × 茨木のり子
生誕100年となる記念の年に、茨木のり子の魅力をさらに多くの方に伝えるべく、幅広い層から支持を得ているファッション・テキスタイルブランドminä perhonen(ミナ ペルホネン)とタイアップいたしました。茨木のり子の既刊4点に、ミナ ペルホネンのテキスタイルをあしらった、美しい特別ダブルカバーをご用意。
自分らしくいることの尊さや自分の気持ちに正直であることの大切さを、自由でのびやかな言葉で素直に表現した茨木のり子。そして「誰もが自分らしくいられるように」との願いを込めて、「特別な日常服」をテーマにブランドを展開しているミナ ペルホネン。
茨木のり子は、熱心に洋服づくりに勤しみ、確かな美意識をもって洋服や素材を選んでいたことでも知られます。身に纏うものに関しても、自分の意思で選ぶことを楽しんでいました。彼女がもしミナ ペルホネンに出会っていたら――
期間限定の特別なカバーを、ぜひお楽しみください。
※フェア開催書店はこちらのサイトでご案内しています。
※特別カバーを通常カバーの上からかけて販売いたします。
茨木のり子に想う
撫でるように鋭く、包むように解く。
軽やかな眼差しは深海へ潜るように見つめ
人間の心象と世間の事象を言葉に紡ぐ。
愚かで尊き人間の生命の相反を映した
表現者であった。

使用テキスタイル
"swing camellia"
冬に咲く椿が冷たい風の中、花の灯りのように映ることは私たちの心を随分と暖めてくれるような気がする。固い蕾が開いて奥行きのある花の姿となり、力強い葉とのコントラストの美しさと散り際の儚さは、ひとつの物語を見ているように映る。
『歳月』
岩波現代文庫


使用テキスタイル
"kivi"
窯の中で焼かれたたくさんのパン。自然と対話しながらくる日もくる日も窯と火に向き合う職人たち。愛情が込められ仕込まれたパンの記憶が窯に染み付き、今日もまたその時を刻み続ける。「つくり続ける」という意思を、確かにするように。
(キヴィ:フィンランド語で「石」)
『自分の感受性くらい』
岩波現代文庫


使用テキスタイル
"piha"
柔らかな色を柔らかく揺らす小さな花たち。透けるような花びらに光が透過している。この地に咲いたことを喜び合い、風になびいている。
(ピーハ:フィンランド語で「庭」)
『茨木のり子詩集』
谷川俊太郎 選
岩波文庫


使用テキスタイル
"glass flower"
ガラス絵のような透明感のある色の重なりで花を描いた。筆の微細なタッチを織りで表現しながら、テキスタイルに柔らかな奥行きを感じられるように。
『詩のこころを読む』
岩波ジュニア新書


minä perhonen(ミナ ペルホネン)
「せめて100年つづくブランド」を目指し、1995年より活動を続けるファッション・テキスタイルブランド。ブランド名の「minä」は「私」、「perhonen」は「ちょうちょ」を意味します。minä perhonenの服を身に纏っている方それぞれの「私らしさ」が解放され、誰もがより自分らしくいられるようにとの願いが込められています。
茨木のり子 略年譜
プロフィールへ※『茨木のり子全詩集 新版』所収の「茨木のり子略年譜」を抄録した。
一九二六年(大正十五年)
六月十二日、大阪、回生病院で、父、宮崎洪、母、勝の長女として生まれる。
一九三七年(昭和十二年)
十一歳
この年(小学校五年生)、日中戦争起こる。十二月、生母、勝死去。
一九四一年(昭和十六年)
十五歳
この年(女学校三年生)、太平洋戦争起こる。
一九四三年(昭和十八年)
十七歳
帝国女子医学・薬学・理学専門学校(現、東邦大学薬学部)に入学。六月、山本五十六元帥の国葬に一年生全員参加。
一九四六年(昭和二十一年)
二十歳
四月、大学再開。九月、繰り上げ卒業。国家試験はまだなく、卒業と同時に薬剤師の資格を得る。自称かなりの劣等生、そのうえ、空襲下、逃げまどうばかりの学生生活だったため、みずからを恥じ、以後薬剤師の資格は使用せず。九月二十一日、戯曲「とほつみおやたち」読売新聞戯曲第一回募集に佳作当選。
一九四九年(昭和二十四年)
二十三歳
医師、三浦安信と結婚。
一九五〇年(昭和二十五年)
二十四歳
「詩学」の投稿欄「詩学研究会」に初めて詩「いさましい歌」を投稿(村野四郎選)。このとき初めて茨木のり子のペンネームを使用。
一九五三年(昭和二十八年)
二十七歳
五月、同じ詩学研究会に投稿していた川崎洋氏と共に、同人詩誌「櫂」創刊。
一九五五年(昭和三十年)
二十九歳
十一月、第一詩集『対話』が不知火社から刊行。
一九六〇年(昭和三十五年)
三十四歳
二月、「ある一五分」NHKラジオ第二放送。六月、「現代詩の会」安保阻止デモ。
一九六五年(昭和四十年)
三十九歳
一月、詩集『鎮魂歌』思潮社から刊行。十二月「櫂」復刊。
一九六八年(昭和四十三年)
四十二歳
「わたしが一番きれいだったとき」(作曲ピート・シーガー、翻訳片桐ユズル)CBS・ソニーレコード。
一九六九年(昭和四十四年)
四十三歳
三月、現代詩文庫20『茨木のり子詩集』思潮社から刊行。
一九七五年(昭和五十年)
四十九歳
五月二十二日、夫、三浦安信、肝臓がんのため死去。十一月、エッセイ集『言の葉さやげ』花神社から刊行。
一九七七年(昭和五十二年)
五十一歳
三月、詩集『自分の感受性くらい』花神社から刊行。
一九七九年(昭和五十四年)
五十三歳
十月、岩波ジュニア新書9『詩のこころを読む』岩波書店から刊行。
一九九一年(平成三年)
六十五歳
二月、『韓国現代詩選』にて読売文学賞受賞。五月、韓国への旅。
二〇〇〇年(平成十二年)
七十四歳
四月、大動脈解離のため公立昭和病院(小平市)に入院。同時に乳がんも発見され手術。
二〇〇四年(平成十六年)
七十八歳
一月、選詩集『落ちこぼれ』理論社から刊行。七月、対談集『言葉が通じてこそ、友達になれる』(金裕鴻と対談)筑摩書房から刊行。十月、川崎洋死去。十二月、石垣りん死去。
二〇〇六年(平成十八年)
二月十七日、くも膜下出血のため東伏見の自宅にて死去。享年七十九。『思索の淵にて―詩と哲学のデュオ』(長谷川宏と共著)近代出版から刊行。六月、絵本『貝の子プチキュー』(山内ふじ江・絵)福音館書店から刊行。
二〇一〇年(平成二十二年)
七〜九月、「茨木のり子展〜わたしが一番きれいだったとき〜」群馬県立土屋文明記念文学館にて開催。十月、『茨木のり子全詩集』(宮崎治編)花神社から刊行。十一月、『茨木のり子の家』(小畑雄嗣写真)平凡社より刊行。
二〇一四年(平成二十六年)
三月、『茨木のり子詩集』(谷川俊太郎選)岩波文庫から刊行。
二〇二五年(令和七年)
四月、『自分の感受性くらい』岩波現代文庫から刊行。五月、『歳月』岩波現代文庫から刊行。九月、『茨木のり子全詩集 新版』岩波書店から刊行。
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