無戸籍、虐待、貧困――過酷な生い立ちにあって、自力で思想を獲得し、私自身を生きることを貫いた金子文子(1903-26)。わずか23歳で獄中に没した彼女の人生が、映画『金子文子と朴烈』の公開を機に、あらためて注目されています。
岩波書店では、金子文子を主人公の一人とするブレイディみかこさんの連載「女たちのテロル」(『図書』2017年4月号~18年9月号)を皮切りに、自伝『何が私をこうさせたか』(岩波文庫、2017年12月)、瀬戸内寂聴さんによる伝記『余白の春』(岩波現代文庫、2019年2月)と、金子文子関連企画をうちだしてきました。2019年5月には『女たちのテロル』を書籍化します。
どうぞ、彼女の生涯に、思想に、触れてください。今、この時代だからこそ感じとれるものが、多くあるはずです。