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『図書』2023年10月号 目次

◇目次◇
ブロッコリーの恐怖……松浦寿輝
文学は抵抗する……中川成美
「民主主義」と「道徳」の奈落……白井聡
桐野夏生が魅せるディストピア小説……佐藤アヤ子
〈鼎談〉新全集が示す関孝和像……上野健爾/佐藤賢一/橋本麻里
ある平和主義者の二〇世紀……木畑洋一
時代祭の起源……エレン・ヴァン=フーテム
人は隔たりのただ中で一致する……上野修
ポトツキ家のウォッカ……畑 浩一郎
午前四時の試写室 (後編)……川内有緒
書店と私②……近藤ようこ
大衆社会の政党組織……前田健太郎
成長する美術学校とフェノロサ、岡倉の教育プログラム……新関公子
わたしの時間……ミロコマチコ
オオウミガラスは人為の絶滅だったか……川端裕人
ポパーとLSEの変貌……近藤和彦
こぼればなし
(表紙=杉本博司) 
 
 
◇こぼればなし◇

〇 暑すぎる夏も過ぎ、今年も早いもので残すところ三カ月です。この一〇月から、新シリーズ「岩波講座 社会学(全一三巻)を隔月で刊行いたします。

〇 社会学の講座では、前回、「岩波講座 現代社会学」(全二六巻・別巻一)の刊行開始が一九九五年でしたから、ほぼ四半世紀ぶりとなります。社会科学の進展に裏打ちされた理論枠組と、洗練を重ねてきた方法論のもと、新たなテーマや対象に向き合い、数理・統計的な最新の研究も盛り込んで編まれる講座です。

〇 編集委員の先生方は、北田暁大、岸政彦、筒井淳也、丸山里美、山根純佳の五氏。さらに一六名の先生方に編集協力をいただき、執筆陣は、各領域の到達点を示す中堅世代から若手の社会学者が中心となっています。

〇 講座刊行に際して、各編集委員が読者の皆様に向けて綴った文章から、以下、岸政彦さんの言葉の一部を引かせていただきます。

〇 「私たちにとって私たちは最大の謎だ。みんな何してるんだろう、どうやって生きているんだろう。社会学はこの素朴な問いから始まる」。「人びとによって問われる人びとという問題。この問いには終わりはないが、それでも社会学者は、短い一生のあいだでようやく見えてきた問いのかけらを瓶に入れて海に流す」「岩波講座 社会学」内容案内「編集にあたって」より

〇 社会学は、社会の鏡そのものであるとも言われます。一三巻、総数約一五〇本の論文群からなる新しい「鏡」に映し出されるものは何でしょうか。講座の第一回配本は、第一巻『理論・方法』と第三巻『宗教・エスニシティ』の二冊です。どうぞご期待ください。

〇 さて、宮﨑駿さんの新作映画『君たちはどう生きるか』をご覧になり、吉野源三郎の小説『君たちはどう生きるか(岩波文庫)を手に取ってくださる新しい読者が次々と生まれています。ありがたい限りですが、もう一冊、ここでぜひ紹介したい書籍があります。スタジオジブリのプロデューサー、鈴木敏夫さんの七月に出た新刊『歳月』です。

〇 「ぼくは誰と出会い、どんな話をして来たのか」。手塚治虫、黒澤明、加藤周一、スピルバーグ、米津玄師、あいみょん、ダライ・ラマ一四世、そして宮﨑駿、高畑勲(敬称略)……。本書は、鈴木さんが人生で巡り会ってきた多彩な人物との鮮烈な思い出を、軽妙かつ滋味深い文章で振り返った一冊です。

〇 映画『君たちはどう生きるか』主題歌「地球儀」の作詞・作曲・歌を手がけられた米津玄師さんについて。「彼の魅力はあの目だ。髪に見え隠れする、あの目にいろんな表情がある。…」(同書一一一頁)米津さんと菅田将暉さんが同映画を語るYouTube対談を視聴して、なるほどと思いました。

〇 小誌リレーエッセイ「人物から見た世界歴史」は今号で完結となります。なお、足掛け三年にわたりました「岩波講座 世界歴史」(全二四巻)も一一月で刊行完結いたします。

 


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