和菓子月ごよみ*卯月 桜餅
海を渡った桜たち、元気にしてる?
*道明寺(亀屋萬年堂) 桜餅(鉢の木 阿佐谷本店)
江戸で桜餅が流行すると、桜餅は各地で作られるようになる。
といっても、どこでも同じではなく、しだいに東京は小麦粉生地、京阪は道明寺生地が主流になったようだ。すっきりした感じの東京風に対し、米の粒が見える京阪の道明寺生地は、どこかはんなりした趣が漂う。
三つ食へば葉三片や桜餅 高浜虚子
の句を例に、(葉は)食べないのではという説がある一方、江戸っ子は粋だから葉も食べる、京都人は移り香を楽しんで葉を残すともいわれている。悩ましいところだが、結論はお好みしだい。
(中山圭子著『事典 和菓子の世界 増補改訂版』より)