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和菓子 月ごよみ

和菓子月ごよみ*睦月 水仙

 

 いのししも、やっと、なかまに いれてもらって、これで めでたく 十二支がきまった。
 ほんとうは ねこも なかまに はいりたかったが、かみさまのところに あつまる ひを わすれてしまった。
(長谷川摂子・文/山口マオ・絵『十二支のはじまり』より)
 
 
 
 ぎりぎりセーフだったいのしし。はみだしたねこ。
 背筋が伸びるような水仙の香りで新年を迎え、ことしはみんなゆったりすごせますように。
上生菓子「水仙」(浅草・梅園)
 
 
 正月花とされるため、水仙の意匠の菓子は、十二月下旬から二月にかけて店頭に並ぶ。白い花びらに黄の花冠を配した清々しい姿が、手技や型で巧みに作られることが多く、釘隠しの意匠に通じる木型も存在する。「水辺に咲く、仙境を思わせる花」の意から名前がついたことや、琴の名手、琴高(きんこう)仙人が愛した花という中国の伝承を思い出しながら、優雅に味わいたくなる。
(中山圭子『事典 和菓子の世界 増補改訂版』より)
 

 

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