和菓子月ごよみ*長月 栗菓子
さるは ちょうど 出かけて るすであったので、
まず ぱんぱんぐりは、
いろりの はいのなかに もぐずりこんだ。
(『かにむかし』文・木下順二 絵・清水崑)
名前だけでおいしそうなぱんぱんぐり。このあと大活躍!
*深山乃栗(日本橋屋長兵衛)
栗の菓子には「重陽(ちょうよう)」「栗名月」などの名がついたものもある。これは旧暦九月九日の重陽の節句に栗飯を用意したり、旧暦九月十三日の十三夜に、栗を供えたりする風習に関連している。行事に合わせて、栗菓子を賞味するのも乙なものだろう。
(中山圭子著『事典 和菓子の世界 増補改訂版』より)