和菓子月ごよみ*皐月 あやめ薯蕷饅頭
5月の連休明けでぐったりしたら、目にも鮮やかな青紫の花で気合いを。
からころも きつつなれにし つましあれば
はるばるきぬる たびをしぞおもふ(『伊勢物語』第九段)
*あやめ薯蕷饅頭(東京・神保町・文銭堂)
花びらのもとに、紫の網目文様があるのがあやめ、その部分に黄色い筋があるのがかきつばた…。あやめとかきつばたの見分け方はよく話題になるもの。同じアヤメ科とはいえ、実物を見ると、なるほど確かに違うと実感できるが、菓子ではある程度抽象化されてしまい、こうはいかない。
菓銘だけが頼りになるが、それもない場合は、好きな方を思い浮かべればいいかもしれない。
(中山圭子著『事典 和菓子の世界 増補改訂版』より)