星の王子さまが看病してくれた日*tanemaki diary
去年のように、神保町の桜が満開です。
今年の春は、いつもとは違う生活サイクルになった方も多いかと思います。
SNSでは、「#こういうときこそ本を読もう」というハッシュタグが出来たり、本についての話題が増えているようです。
この際、家の〈つんどく〉ストックを見直すのも楽しいですし、書店さんであれこれ新しい本を選ぶのもわくわくすること間違いなしです。いつもより読書の時間がとれる、と、本好きな人は気持ちが切り替わりそうです。
個人的には、昔好きだった本の「読み直し」もおすすめです。
本棚を眺めていたら、「ねえ、久しぶりに読んでみて!」という声が聞こえてきました。
手に取ったのは『星の王子さま』。
小学生のころ、クリスマスにはいつも祖母が本を贈ってくれたのですが、その中の1冊がこの本でした。見返しには、祖母が万年筆で丁寧に書いてくれたメッセージが。(相当年季がはいっていますが!)
縁あって『星の王子さま』の版元で仕事をするようになり、業務ではなんども触れることのある本ですが、あの日あの時プレゼントしてもらったこの本は、どんなに古びても大事な宝物です。
クリスマスの時期には扁桃腺熱で寝込むことが多い子ども時代だったので、ページをめくっていると、星の王子さまと旅をしながら元気になっていった思い出がよみがえります。
子どもにとって、本はまさにともだちですが、それは大人でも同じこと。
長くつきあえる、お気に入りの本がみつかりますように。