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tanemaki diary

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 10月3日はドイツ統一の日。1990年、ベルリンの壁が崩され、東西ドイツがひとつになってからまもなく30年になります。

 数年前、ベルリン国立図書館(州立図書館)の書庫を見学する機会がありました。そこには日本の書籍もかなりたくさん収集されていたのですが、『新 日本古典文学大系』の棚でふと不思議に思ったことが。
 それは巻によって2冊あったり、1冊だったりすること。
 司書の方の答えはとても簡単でした。
 「東西ドイツの統一前は、ベルリン国立図書館も東西に1館ずつあったから、この全集もそれぞれで購入していたんだ。統一後には蔵書も合体したので、それ以降は1冊なんだよ」
 1989年に刊行が始まり2005年に完結した、全100巻のこの日本古典の注釈全集を、東西の図書館で揃えていてくれたということにも感動しましたが、ドイツの統一がこんなかたちで目に見えるということに心を打たれました。

 現在では、『新日本古典文学大系』は、大学図書館向けに電子図書になり、海外の大学図書館では、より手軽に揃えていただくことができるようになりました。高額の送料も必要なく、世界じゅうの研究者の利用に供せると思うと、技術の進歩は頼もしい限りです。
 その一方で、ヴェンダースの映画『ベルリン・天使の詩』の舞台でもある、あのベルリン国立図書館の静かな閲覧室で、今でもだれかの手で『新古典』が開かれている風景を思い浮かべています。
 
 【追記】
 この記事をアップしてから、机周りを整頓していたところ、まさにこのときの写真の紙焼きが出てきました。
 正確には、数年前ではなく十数年前のベルリン国立図書館です。
 
 
 これが書庫内の『新日本古典大系』の1セット。このラベルは東のものか西のものか不明ですが。
 
 
 そして映画のロケ地ともなった、吹き抜けの閲覧スペース。時間がゆったり流れる、ほんとうに居心地のいい図書館でした。
 
 

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