tanemaki diary*いとしのメタボ
新刊の発売2日前になると、製本所から「見本」と呼ばれる本が入ってきます。著者の方にはもちろん、社内部署に配って、間違いなどがないかという最後の最後のチェックです。
また営業部では、この「見本」を使ってある作業をします。
それは、厚さと重さの測定。
厚さの測定は、本が一番「厚い」ところ―つまり帯のかかった小口側(ページを開くほう)を、挟むと厚さが表示される計測器で測ります(これはまさに「おなかの肉をつまんで測る」検査を思い起こさせます)。さらに〈体重〉も測り、1冊ごとのデータを取次会社へ知らせると、本は荷物としてのサイズが登録されていよいよ物流ルートにのることになります。
『広辞苑第七版』は、厚さは製本機の限界の80㎜、重さは2.5㎏あります。
これは特別ですが、春に発売された『さよなら未来』『ラジオが夢見た市民社会』もなかなかのボリュームです。
『さよなら未来』は厚さ38㎜、重さ548g、『ラジオが夢見た市民社会』は厚さ42㎜、重さ684g。しかも本文は2段組みと、姿だけではなく中身も大充実です。
通勤で持ち歩くのはちょっとためらわれますが、こういう本をどこで読もうかと考えるのも愉しいものだと思います。
以前、ドイツの出版社に聞いた話ですが、ドイツでは「厚い本のほうが持ったときに存在感があるので人気がある」「厚い本を家でゆったり読むのが好きな人が多い」とのことでした。
家で読むか、カフェで読むか、あるいは職場に置いておいて昼休みに読むか。
思いきって次の旅行に連れて行く、というのもよさそうです。