村田和代『優しいコミュニケーション 「思いやり」の言語学』<著者からのメッセージ>
普段とは少し違った視点から
コロナ禍を体験して、多くの人があらためてコミュニケーションの重要性を痛感したのではないでしょうか? リモートワーク、オンライン授業、黙食、マスク会話等、対面でのコミュニケーションを極端に制限される状況で、寂しさやもどかしさを感じたことでしょう。それはなぜなのでしょうか?
今、あらためて、コミュニケーションにみられる「優しさ」や「思いやり」について考えてみる機会になれば、という思いで本書を執筆しました。雑談は「雑」な「談(話)」なのか? コミュニケーションにとって聞くこととは? オンライン会議やリスクコミュニケーションで大切なことは何か? 普段とは少し違った視点でコミュニケーションを考察してみましょう。
生きていることばやコミュニケーションの有り様を研究するのが「社会言語学」です。言語学というと、日常生活とは遠いところにあるようなイメージがあるかもしれません。本書を通して、一人でも多くの方々に興味を持ってもらえると嬉しいです。
(むらた かずよ/龍谷大学政策学部教授)