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梅若マドレーヌ『レバノンから来た能楽師の妻』〈著者からのメッセージ〉

This is My Way

梅若マドレーヌ

 人に会うと、必ず聞かれます。「ご主人とはどこで出会われたのですか?」「能楽師との結婚生活はどうですか?」「古くから続く伝統芸能の世界にどうやって受け入れられたのですか?」そして、多くの方が「あなたの体験をぜひ本にまとめてください」と励ましてくださいます。

 レバノン内戦勃発の一年後にベイルートを脱出して日本に向かった十七歳のとき、私の人生は一変しました。日本文化の豊かさには目を見張りましたが、馴染むのは大変でした。母国の文化とはかけ離れていたからです。

 本書には、レバノンから来た私が能を継承する一族に迎えられ、伝統を重んじる能の世界にも何とか順応して、日本や海外で外国人向けに能を広める活動に尽力するようになるまでを綴りました。能楽師であり、芸一筋の夫、梅若猶彦との三十七年にわたる結婚生活や多文化のなかでの子育ての苦労にも紙幅を割きました。

 最後に、へこたれずに独特な世界に自分の居場所を見つけた私の軌跡をお伝えする本書が、今まさに困難を克服しようと頑張っておられる方を勇気づけ、励ますことができればこれほど嬉しいことはありません。

(訳:竹内要江)

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著者略歴

  1. 梅若マドレーヌ

    レバノン, ベイルート生まれ. 英国レディング大学でコンピュータ・サイエンスを学び, 優等の成績で理学士の学位を取得. その後, 南カリフォルニア大学, 大阪大学, 東京大学の大学院で研究を行う. 日本や世界各地で新作も含んだ能の舞台公演のプロデュースにかかわり, 能の普及につとめる. レバノンのノートルダム大学ルイーズ校より日本文化・レバノン文化を紹介する活動の功績をたたえる賞を贈られた. レバノン国内の活発な芸術文化活動を取り上げたドキュメンタリー映画『明日になれば』ではプロデューサーをつとめる. 同作品は2015年にレバノン文化省より文化推進功労賞を贈られた.

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