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著者からのメッセージ

高階秀爾『カラー版 名画を見る眼Ⅰ・Ⅱ』<著者からのメッセージ>

高階秀爾『カラー版 名画を見る眼Ⅰ・Ⅱ』<著者からのメッセージ>

見る、読む、そして人間存在へ

 すぐれたものをまもりながら、進化し、新しいものを生み出していくのが芸術の歴史である。絵画で言えば、一万年前の壁画、あるいはファン・アイクの名画など、すでに存在しているすばらしいものに、ほんの少し何かを加える。それが人間の知性なのだろう。画家は知の世界を背景にして自分の世界を作りあげていく。

 一枚の絵画を色や形だけから見るのではなく、その意味は何かを考えながら読みとき、絵画の歴史を考えること──これが私が留学先のフランスで学んだことであり、『名画を見る眼』の出発点となった。しかし絵は見る、そして読んで解釈するだけでは終わらない。絵画とは何かを問うことは、人間を問うことにほかならないからである。

 半世紀以上にわたって多くの読者に恵まれた『名画を見る眼』がカラー版として刊行されることになった。二九点の名画は、時代や空間をこえて、みなさんに多くのことを語りかけるに違いない。この本をきっかけに、絵画、そして人間に対する興味を深めていただけたら、これに過ぎる喜びはない。

(たかしな しゅうじ/大原美術館館長、東京大学名誉教授)

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