西田友広『16テーマで知る 鎌倉武士の生活』<著者からのメッセージ>
鎌倉殿の御家人たち その生活と実像
鎌倉幕府を開いたことで知られる源頼朝が征夷大将軍となった1192年から、今年(2022年)で830年になります。
この本では、源頼朝に従って鎌倉幕府を作り上げ、その鎌倉幕府のトップである「鎌倉殿」に仕えた武士、すなわち御家人たちが、どのような人々であり、どのような生活をしていたのかについて、16のテーマから迫ってみました。
御家人たちの住居や服装・食生活、武士としての武芸・武装や合戦のあり方、教養や娯楽や信仰、その一生の過ごし方は、どのようなものだったのでしょうか。
また、彼らはどのようにして鎌倉殿と鎌倉幕府を支え、社会の中でどのような役割を果たしていたのでしょうか。
この本では、こうした点を古文書や絵巻物などのさまざまな素材(史料)に基づきながら、できるだけ具体的に描くことに努めました。この本を入り口として、読者の皆さんが鎌倉時代の武士たち、さらにはもっと広く、過去の人々やその活動について興味を深めてもらえれば、たいへんうれしく思います。
(にした ともひろ/東京大学史料編纂所准教授)