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河合香織 『分水嶺』〈著者からのメッセージ〉

四六判・定価1980円
 ISBN 978-4-00-061466-5
 
 

コロナ対策の「一丁目一番地」でどんなせめぎ合いがあったのか?

 新型コロナに翻弄された2020年でしたが、本書の取材も「想定外」が続きました。尾身茂氏や脇田隆字氏ら専門家会議メンバーへの取材を始めた昨年7月は、第1波が落ち着き、専門家会議も分科会へと移行。初期対応の検証を記録するつもりでした。

 ですが、その取材の途中に第2波、第3波、そして2度目の緊急事態宣言となり、専門家たちは休みなくその対応に追われることになりました。それにもかかわらず、時間を捻出くださったのは、未知のウイルスに手さぐりだった時期に何を考え、どんな行動をとったのかを考えることは、今後の波に備えるために必要だという思いからだったように感じます。

 本書では、「前のめり」で対策にあたった専門家たちや、西村大臣、小池都知事、厚労省の官僚、自治体職員、現場の医師など、多くの方の証言から、その連携とせめぎ合いを立体的に描くよう努めました。コロナはまだ終わりではありません。専門家や政治、行政に任せておく問題ではなく、私たち市民も一緒にあるべき姿を考えられる記録になればと願っています。

(かわい かおり/ノンフィクション作家)

 

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著者略歴

  1. 河合香織

    1974年生まれ。ノンフィクション作家。
    2019年『選べなかった命──出生前診断の誤診で生まれた子』(文藝春秋)で大宅壮一ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞受賞。2009年『ウスケボーイズ──日本ワインの革命児たち』(小学館)で小学館ノンフィクション大賞受賞、その他の著作に『セックスボランティア』(新潮社)、『帰りたくない──少女沖縄連れ去り事件』(新潮社)、『絶望に効くブックカフェ』(小学館)など。

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