web岩波 たねをまく

岩波書店のWEBマガジン「たねをまく」

MENU

著者からのメッセージ

結城正美『文学は地球を想像する──エコクリティシズムの挑戦』<著者からのメッセージ>

結城正美『文学は地球を想像する──エコクリティシズムの挑戦』(岩波新書)<著者からのメッセージ>

いつまでも地球のお客さんではいられない

 「あたしたちは地球上で、いつまでもお客さん気分でいちゃいけない。ここで生きていかないと。もう一度、ここに棲みつかないといけない」。

 このリチャード・パワーズの小説の一節が、ふとしたときに頭をよぎる。なにしろ、災害級の猛暑、豪雨、熱波、森林火災が常態の昨今である。見境のない開発はいい加減やめなさい、いつまでお客さん気分でいるのか、と地球が警告しているかのようだ。

 経済成長の旗じるしのもと、人は地球のことを気にかけなくなった。むしり取れるだけむしり取って、あとは知らんぷり。その結果が環境破壊であり、気候危機だ。

 地球は主張しない。だから、地球の立場になって考える想像力が必要だ。文学はその水先案内になる。

 地球という家の一員であることが腑に落ちる物語は人それぞれだろう。本書では、パワーズ、ソロー、石牟礼道子、梨木香歩、多和田葉子、カズオ・イシグロ、小林エリカなどの作品を紹介した。みなさん一人ひとりが自分にとっての〈地球を想像する文学〉に出会ってくれれば、と願っている。

(ゆうき まさみ/青山学院大学文学部教授)

タグ

バックナンバー

関連書籍

ランキング

  1. Event Calender(イベントカレンダー)

国民的な[国語+百科]辞典の最新版!

広辞苑 第七版(普通版)

広辞苑 第七版(普通版)

詳しくはこちら

キーワードから探す

記事一覧

閉じる