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著者からのメッセージ

平賀 緑「食べものから「資本主義」を解き明かすとは」<著者からのメッセージ>

食べものから「資本主義」を解き明かすとは

 私たちが何を食べるか、食料安全保障をどうするのか。そこには消費者や農家の努力だけではなく、政治経済が大きく影響している。学生たちにそう話すと「食べものと経済が関係しているなんてビックリ!」と驚かれる。しかし実際には、食も農も資本主義のロジックで動いている。

 気候危機も、パンデミックも、戦争も、広がる格差や「生きづらさ」も、山積する問題は、じつは資本主義経済としては当然の結果という見方もある。だからこそ、そのカラクリを理解することが重要だ。

 とはいうものの、ただ経済学を勉強しても現状はなかなか見えてこないだろう。もっともらしく語られる理論(セオリー)と私たちのリアルは大きく乖離しているからだ。そこで、身近な食べものを題材に、現代社会のグローバル化、巨大企業、金融化などを解き明かしてみた。若い人にも女性にも、「素人」や「庶民」にこそ、この現代社会のカラクリを見抜き、その上で力強く生き延びてもらいたいと願いつつ。

(ひらが みどり/京都橘大学経済学部准教授)

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